「まあ、これだけ暇だとエロ本でも読んでいないとやってられんですよね!」
もう反論する元気も残っていない。腹に良くない。黙りを決め込むことにした。
「ねえ、暇だねー。」
心の中では「そうだな。」とつぶやいたが、いやいや。今の俺にとっては、暇な方が都合が良い。
「ねえ、ひーまー!」
だからって、俺にどうしろと言うんだろうか。
「ねえっ! ねえっ! ねえっ! ねえっ!」
肩をぶんぶん揺さぶられ、そのリズムに合わせて、ぶら下がった点滴もぶんぶん揺れた。酔ってしまいそうだ。ウザい。非常にウザい。
「うっさいなー! 帰れよ、病室に。」
「だってだって、入院生活なんて、朝の採血、朝食、昼の検温、昼食、夕方の検温、夕食、そして消灯……。その繰り返しだよ? 囚人か!」
そう言って祭は俺の頭を叩いた。
「痛っ……刑務所よりはましだろ!」
「同じじゃん! この敷地内からは出られない。行動も制限されてる。何が自由よ! これのどこに自由があるの? 生きようって気持ちが湧き上がるの?」
知らない。病院というものは、そんなもんだ。祭には受け入れる心が欠如している。なんとも身勝手。



