それから私は毎日聡くんのお見舞いに行った。
3日ほどで意識は回復したが、それでも「入院は慣れているから。」と言って、参考書は離さなかった。
お医者さんも、聡くんのお母さんも何度も聡くんから参考書を取り上げようとしたけど、聡くんは頑なに拒んだ。
聡くんのお母さんから、「あの子の勉強をやめさせてほしい。」と何度も頼まれたが、私にはそれができなかった。
聡くんが頑張っているのは、祭ちゃんのためだって知ってたから。
その時から、きっと祭ちゃんが死んでから、聡くんの目には祭ちゃんしか見えていなかったんだと思う。
それなのに、私と付き合ってくれた聡くんは、祭ちゃんの言うように、優しかったんだと思った。



