「……お別れだね……聡くん。」
そんなことを言って欲しくなかった。お別れなんて言って欲しくなかった。でも、きっともう医者でも治せないんだ。神様もきっと俺が来るまで祭の命を繋いでくれたんだ。
受け入れるって決めたのに、いざ祭の弱々しい姿を目の当たりにすると、鈍ってしまう。泣き出してしまいそうになる。
必死に涙を堪えた。
「お別れなんて……早えーよ……まだまだこれからなのに……。」
一語一語、言葉を絞り出そうとすると、やっぱり我慢しきれなくなって、涙がポロポロと静かに、頬を流れていく。
笑顔で見送ろうって決めたのに、俺はその信念でさえも貫けないのか。そう思うと、余計に悲しくて、寂しくて、涙がどんどん溢れてくる。
「……聡くん……あの……ね?」
「なんだ?」俺は涙を拭って訊いた。
「聡くんって……彼女さん……いるんだ……よね?」
「……ああ、いる。」
祭がなぜ俺に彼女がいることを知っているのかわからなかったが、正直に答えた。
「そんな……モテモテの……聡くんに……言いたいこと……が……あります……。」
祭はそう前置きを置いて、微かな声で、しかし、顔は笑って、言った。



