「もういいんだよ! 無理に明るく振る舞わなくていいんだよ! 我慢しないで泣いていいんだよ! なんで頑張ろうとすんだよ! 無理すんだよ! 祭の……もう祭の夢は叶わないんだぞ? 大した夢じゃないくせに、それすらも叶わないんだぞ!? んなの……ねーよ! なんでお前みたいないい奴が早く死ななきゃいけないんだよ!」



気が付けば目から涙が溢れ出ていた。しばらく流したことのない涙で、涙袋に貯金が貯まっていたせいか、どんなに肩でぬぐっても、思いっきり泣いて出し切ろうとしても、次から次へと溢れ出てきた。



「……聡くん、泣いちゃダメだよ……。」



祭がそっと右手で俺の頭を撫でてくれた。



そうだ。泣いちゃいけないんだ。



俺が泣いたら……祭が泣けない。



「ばか! 笑ってるよ。ほら、見ろよ。な? だから、泣いていいんだぜ?」



「嘘ばっか……めちゃくちゃ泣いてるじゃん……。」



「だから泣いてねえって!」



「……聡くん。」



目が滲んで祭の顔はよく見えなかったが……いや、見えないで良かったんだと思う。



「聡くん……私、どうしたらいいの?……死ぬのが、怖い……怖いよ!……助けて……。」



祭の泣き顔を見ないで済んだ。