思わず上体を起こした。
「ど、どうしたんだよ急に……。」
「急にじゃないよ。昨日からずっと考えてたんだよねー。もうやめよっかなって。っていうか、もう無理かなって……。」
もう無理?
「聡くん……私ね、もうすぐ死ぬんだー。」
「……え?」
耳を疑った。そして、何かの冗談だと思った。しかし、昨日の発作を見たこと、病室で検査を受けていたこと、そして急に語りだす夢、やっちゃいけないことをやめると言い出したこと……。
そのすべての謎に対する答えが、その一言に集約されていて、間違いない。祭は本気で言っている。
「私、生まれつき心臓が弱くて、小学校の頃から入退院を繰り返して過ごしてきたの。まあ、そのせいで、学校も休みがちになっちゃって、友達もいないって話はしたよね?」
「ああ。」
「そのせいで、家の中でお絵かきして過ごすような、今では考えられないような大人しい女の子だったんだよねー。聡くんと出会ってからなんだ、こんなに明るくなれたのって。だから、できれば退院しても、お酒を飲める年になっても、おじいちゃん、おばあちゃんになっても、こうやってばかやって過ごせたらいいなってそう思ってたんだ。」
素敵なことだと思った。何歳になってもばかができる。それも祭と一緒にだ。いろんな楽しいことをいっぱい教えてくれた祭だ。きっと、死ぬまで楽しく笑って暮らせる。
なのに……。



