「星、あんまり見えないね。」
「まあ、都会だからな……。」
「かろうじて見える星もあるんだけどね……ほら、あの4つ光ってるやつとか!」
「ああ、あれはペガスス座だな。秋の四辺形って呼ばれてんだよ。」
「へえー、聡くんって星のこと詳しいんだね。」
「小学校の理科とかで星座早見盤ってあっただろ? あれもらった時、嬉しくってさ、しばらく天体観測まがいのことしてたっけな。」
「それにしても、意外だなー。てっきり、聡くんは、本ばっかり読んでる世間知らずだと思ってたよ。」
「……心外だな。」そう呟いた瞬間、隣からビンタが飛んできた。
「痛っ! 何すんだよ!」
「言ったでしょ? 『心外だな。』って言ったらビンタだって。」
まさか本当にするとは思っていなかっただけに、油断した。



