「まあ、でも聡くんになら見られても平気かな……なんてっ。」
そんなこと、彼女のいる俺に顔を赤らめて言わないでほしい。
「ほら、この祭様のナイスボディーが見たい? ねえ、触れたい?」
「何言ってんだよ、貧乳なくせして。」
「うわっ、ひっど! なんで男の子って胸ばっかり気にするかな……週末に世界中の男で集まって、そういう会議でもしてるわけ?」
まあ、これだけ冗談が言えるんだ。きっと祭は大丈夫で、あれも本当に発作か何かだろうと思う。
「で、それ何読んでたんだ?」
「ああ、これ? はらぺこあおむし。」
「……お前、一体いくつだよ?」
「えー? 面白いんだよ? あおむしが綺麗な蝶になるところなんか圧巻なんだから!」
「それより小説読めよ。俺、貸してやるから。」
「えー、聡くんの読んでる小説、何だかじじくさそうなんだもん。」
「いいか? 最近の若者はそんなのだから活字離れが深刻だって言われるんだよ!」
「なんかじじくさいこと言うね。」
「……心外だな。」
「聡くん、それよく言うよね? 『心外だな。』って。前から思ってたけど、それもじじくさいよ?」
「……心外だな。」
「ほら、また言った! 次言ったらビンタね?」
「そんなことより……。」
「あ、スルーされた!」
俺は持っていた枕を祭の顔面めがけて思いっきりぶつけた。



