「で? それがどうしたんだ?」
この人は人の話を聞いていたのだろうか……。
「だから、祭は身体を壊して、それで来なかったんです。」
「それは聞いた。俺が訊いているのは、そこからお前はどうしたんだ? ってことだよ。」
どうするも何も……。
「どうしようもないじゃないですか。体調が悪いなら仕方ないですよ。俺は神様じゃないし、祭の病気を治してやることなんてできないんですから……。」
伏見さんは、まるで応援していた阪神が負けた時のようなリアクションをとった。
「これだから近頃のガキは! お前、それでもあのカーディガンのお嬢ちゃんの彼氏か!?」
「だから、彼女じゃないんですって! 俺には美紀という彼女が……ってか、伏見さんも会ったでしょ?」
「じゃあ、友達でいい。お前、それでも友達か? 友達なら何かしてやれること、あるんじゃないか?」
……ない。
「そんなのないですよ! どうしろって言うんですか? 弱っている祭を目の前に、俺はなんて声かければいいんですか?」
「何でもいいじゃないか。」投げやりだ。そう思った。
「何でもいい。声をかけずに、見て見ぬフリするよりはずっといい。それに、病気は治せなくても、お嬢ちゃんは今を生きている。だったら、お前も今を生きてやれよ。」
今を……生きる?



