「……祭?」



胸を強く抑えながら、息苦しそうにしゃがみ込んでいる祭がいた。



「大丈夫か? おい!」



微かだが、「ダイジョウブランド品買取店」と聞こえた。



「発作……よくあるんだよね……すぐ治まるから。」



そう言う祭だが、これは普通じゃない。こんな発作がよくあるなんて、少なくとも俺の知っている祭じゃない。



危険だ。咄嗟にそう思った時には、俺は看護婦を呼びに行こうとしていた。



「待って。ホント、ダイジョウブランド品買取店……だから。」



「ばか! そんな冗談言ってる場合か!」



祭は俺の服の袖を強く掴んで、離さない。



「一人に……しないで?」



その言葉で俺は諦めた。同じ目線にしゃがみ、背中をさすることしかできなかった。



「ありがとう。聡くん。」



「ああ。」



その後、さっき追いかけてきていた看護婦が、異変を感じ、そのまま祭を連れて行った。



俺はその小さな背中をただ立ち尽くして見ていることしかできなかった。



まるで神様から、「お前は無力だ!」と烙印を押された。そんなもどかしい気持ちになった。