「それじゃあ、手始めに一階から攻めるか?」
今日は点滴台を抜く必要もなさそうなほど、比較的簡単なミッションだ。まあ、多少物足りない感じはするが、たまにはそういう日があってもいいだろう。
いや……十分か。俺の感覚が麻痺しているだけだろう……ん?
「祭?」
「え? ご、ごめん。なんだっけ?」
やはり何かがおかしい。祭がボーッとすることなんて今までに一度もなかった。
「いや……まずは一階から攻めようかって……。」
「あ、そ、そうだね! 一階から攻めていこっか!」
よくよく見れば、祭はやはりおかしい。俺が気づくよりも前から、少なくとも朝からおかしかったに違いない。
「祭?」
「な、なんでい! 聡くん!」
「そのカーディガン、表裏逆じゃないか?」
「へ!?」
顔を真っ赤にして、カーディガンを確認し、
「リ、リバーシブルなんだあ!」
「嘘つけ!」



