それにしても、この女子。一体何をそんなに行ったり来たりしているのだろうか。時折、俺の方をチラッと見て、それからまた行ったり来たり。イラ立っているようにも見える。



こんなに高尚な風情のある場所を前にして、彼女の何がそうさせるのだろうか。わからない。花を見て綺麗だと感じることもなければ、ゆったりまったりと過ごす時間の良さを、彼女は知らないのだろうか。



典型的な女子高生といった感じだ。きっとスマホのゲームやら、LINEやらに依存するようなタイプの子だろう。そういう子に限って、スタバの新作との自撮りや、別れたばかりの彼氏やバイトの先輩の愚痴なんかをツイッターにつぶやいたりするのだ。



非生産的な誰得ツイートをまるで、「私を見て!」と言わんばかりの自己主張で、ばかばかしい。



相手にしない方が良さそうだ。俺は、本を手に取り、ページをめくった。