それから祭はスマホのサンプルをあれこれいじりながら吟味していた。
それを俺はソファーに座って眺め、すぐに飽き、マガジンラックから雑誌を取ってパラパラとページをめくった。
にしても、なぜ女の買い物はこう長引くのだろうか。あの男っぽい美紀でさえ、服を選ぶのには時間がかかる。
「なあ、聡くん。白のブラウスと紺のブラウス、どっちがいいと思う?」
そう訊かれ、仮に「白の方かな。」って答えると、
「えー? 紺の方が良くないか?」
「……。」
じゃあ訊くな! 初めから決まってるんだったら訊くな! そう思ってやまない。
それなら、「聡くんが選んでくれない?」って言われる方がいい。そして、逆に俺の服は相手の子に選んでもらう。
その方が、どういう格好をしてほしいのか、お互いにわかるし、相手が一生懸命選んでくれたものだから、一生大事にしようって気持ちになる。
「ねえ、聡くん! こっちのイエローのスマホと、ブルーのスマホ。どっちがいいと思う?」
「……安い方。」



