バスは30分ほどで金葉市駅に着いた。
そこから少し歩くと、カフェの横にケータイショップはあった。そこは幸運にも祭の契約したショップだった。
「ねえ、聡くん! スマホがいっぱいだよ! 見事にスマホがいっぱい! ガラケーがほとんどないのにケータイショップだよ!」
まったく失礼な奴で、店員さんも祭が子供みたいに、はしゃいでいるもんだから、微笑ましい光景を見るような目で見てくれた。ありがたい。
「そういえば、聡くんはスマホなの?」
「そうだよ。スマホ。」
「へえー! どんなスマホ? 見せてよ!」
とんでもないことをこの状況で言うなと思った。俺のスマホはこのケータイショップの機種じゃない。店員さんも見ている中で、出せるわけがないだろう。
「忘れた。」
「持ってくるの忘れたの? ケータイなのに携帯してないの? それ、持ってる意味ある?」
うるさい。無くしたのに今の今まで放っておいた奴に言われたくない。



