それを見届けると、俺は勢いよく点滴を引っこ抜いた。
自ら引っこ抜くのと、他人に引っこ抜いてもらうのとでは、痛みの度合いがだいぶ違う。痛い。でもいい。今の俺には足りないくらいだ。
伏見さんに殴ってもらえばよかった。顔が腫れるくらい殴られないと俺の仮面は剥がれない。
廊下を走っちゃダメだ。でも、走らなければいけないこともある。それが今だ。
走った。看護婦に怒られても走った。階段を急いで降りる。途中、医者とすれ違った。医者はこんなことじゃ注意しない。
受付を通り過ぎる間一髪のところで、ポニーテールの瀬花高生を見つけた。右手で肩をガッと掴んだ。
「な、何すんだ変態!」
変質者と間違えられたのか、思いっきり殴られた。でも、これでいい。俺の仮面は完全に剥がれたはずだ。



