「なあ、聡くん。別れようか。」 「……え?」 「今のまま付き合っても、結局束縛でしかないんだよ。ここには愛はなかった。一方的な愛しかね。それなら付き合っていく意味なんてないだろ?」 そう言って、美紀は俺に背を向けて、病室の扉の前で立ち止まり、振り返った。 「……止めてくれないんだな。でも、いい。そのほうが私の愛した聡くんらしいや。」 涙目でそう言い残し、病室のドアがバタンと閉まった。