「結構モテるんだよ? 七原聡って男は。A組の西島さんもそうだし、C組のダンス部の東條さんもね。」
「ちょ、ちょっと待てよ? 東條さんってあの東條明日香さんか?」
「あれ? もしかして好きだった?」
驚いた。好きとかそういうのではなかったが、入学した時から可愛いなとずっと思っていたのだ。
「でも、ウソ泣きするには、何かきっかけがいるだろ? まあ、私をチラチラ見てたから『さっきから何見てんのよ!』とでもいちゃもんつければ、それでよかった。仮に七原くんが見ず知らずの私からそんなこと言われたらどうする?」
そりゃ、もちろん……。
「『誰がお前みたいなブスなんか見るかよ。』ってところか?」
一字一句間違うことなく全部当たっていた。
「そうすれば、後はウソ泣きすればいい。女子って単純だし、私みたいに人気のある女子が泣けば、きっと敵は掌握できる。そのために、敵に媚び売ってたんだから。東條さんは特に大変だったな……あ、あの子、物凄く性格悪いぜ?」
なんだかとても怖くなってきた。事のすべてがこの時、俺にはもう大体見えていた。



