学校の近くにあるファミレスは、テスト期間中になると、瀬花高生で埋め尽くされる。
ドリンクバーにポテトでも摘まめば、空調の効いたいい勉強部屋であり、普通の会話なら図書館のように周りを気にすることもない、絶好の場所なのだ。
今もちょうどテスト期間中で、部活は基本的にない。サッカー部も同じ。
俺たちは瀬花高生でごった返しているファミレスは避け、自転車で少し行った場所にある少し高めのファミレスに向かい、対面に座った。
「なんかこうしてると、不思議な光景だよな。私と七原くんは水と油で、絶対に交わることがない二人だもんな。」
彼女は黒のスニーカーを脱いで、椅子の上で胡坐をかいた。
「だらしないか? でもこうやって座るほうが楽なんだよ。夏場は足とか蒸れるし。」
いや、そこもつっこみどころだが、それよりも何よりも、ずっと気になっていたことがあった。
「しゃべり方。どうしたんだ? お前ってそんな男勝りな口調だったっけ?」
「ああ、これ? 私さー、兄貴がいるからその影響だな。」
「でも、学校では比較的乙女じゃないか?」
「まあ、世間体とか気にしたいからな。結構無理してんだよ。女の子っぽくしようとするにも限界があるだろ? だからせめて言葉遣いくらいはなって。」
「じゃあ、どうして俺には自然体なんだよ?」



