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もともとの家に戻ってからしばらく。
私は自室のベッドに仰向けに寝転がっていた。
……ああ、何も変わってないんだな。出て行った時のまんま。
机も、ベッドも、全部。
まぁ、当然…っちゃ、当然だけど。
……なんか、家を出ていたのはたった数週間のことなのに、すごく、懐かしく感じる。
それだけ、雪弥との日々の濃度が濃かった。そういうことなんだろうか。
私は、閉じていた目をそっと開ける。
ーーー久しぶりに帰ってきた家は、驚くほどに変わっていた。
こんなに明るくて、広い家なのだと17年間で1回も気付かなかったことを、今気づかされた。
それに、お父さんとお母さんの仲も、今までのって、幻だったんじゃないの!?ってくらいに修復されていた。
これこそ、私が望んでいた家庭。
幸せに満ちた家庭。
………なのに。



