【完】家出少女と、**王子。







その言葉とともに、グッと制服の端を掴まれ、僕は動けなくなる。



ドッドッドッ、と心拍数を速めていく心臓の音を聞きながら、必死に考える。





なんで、なんで美咲さんが僕に話しかけるんだ?

僕のこと、今度こそ嫌いになったんじゃなかったのか??



…………わからない。

けど、今まで通りに接していても、何も変わらない。





僕は制服を掴む彼女の手を離し、できるだけ冷たい目をして振り向いた。




「………何か、僕に用ですか?」





ごめんなさい、美咲さん。

こんな僕のことは、もう嫌いになってください。