【完】家出少女と、**王子。







「「…………」」




ガタン、と、僕も桃華さんも席に着く。

澤木先生はルーズな性格だからともかく、クラスメイトの視線が痛い。




「えー、王子でも怒鳴ったりするんだ。意外ー」

「でも彼女のために怒鳴るって、カッコよくない?あたしまたファンになっちゃった〜♡」



斜め後ろからヒソヒソとそんな声が聞こえたけれど、今の僕にはそんなの、どうでもよかった。




「とりあえず!今日、元々の美咲の家に行ってみようよ。」

「………そう、ですね…。」



桃華さんが、僕の肩をつつく。










美咲さん、あなたは今、何処にいるんですか…??