【完】家出少女と、**王子。







「よし、そうと決まれば、早速!」



…って言っても、雪弥の家に来たときは、薄っぺらい鞄一つだったわけだから、まあ片付けるものとかは何一つない。


いつものように制服を着て、今まで着てたパジャマ代わりの雪弥の服は、丁寧に畳んでベッドの上に置いた。





雪弥が起きないように、そっとリビングに移動し、目につくところに、合鍵と、メモ用紙を置く。




「ふぅー……」


これまでの数週間、この家で過ごした時間を思い出す。





こう言ってしまうのは癪だけど…


結構、楽しかったよ。











「……じゃあね、雪弥。




ーーー今まで、ありがとう。」








バイバイ。