【完】家出少女と、**王子。





な、なんで…?

今までなんの連絡もしてこなかったくせに……。



何か、あったんだろうか。



「取り敢えず、出るしかない…よね」


そう思って、通話ボタンを押す。




『もしもし?美咲?』


途端、耳に聞こえる、懐かしい声。





「そう…だけど。なんか用?」





私は、まだ戸惑いが隠せなくて。

なんで今更……。



そんな気持ちで、頭はいっぱい。






だけど……




電話の向こうのお母さんは、いきなり嗚咽を漏らし始めた。