私は湖城の方に体を向ける。




「こ、湖城……」


「なんですか??」



……っ!
その笑みはダメでしょ!!

イエローカードだ、湖城!!!



思考を悟られないように、私はいつもの仏頂面で、そっぽを向く。




「みんなにバレると私が困るから…仕方なくだけど、ゆ、雪弥って、呼んで、あげないこともない……。」




言ってから、自分の顔がすっごい熱いことに気がつく。





あ〜も〜!何これ!!?!??

やっぱり恥ずかしいじゃんっ!!




だけど……


「はい、ありがとうございます」



そう言って湖城……雪弥の笑う顔を見ると、恥ずかしいなんて気持ち、どこかへ吹き飛んで。



胸の奥が、ちょっと、キュウッてする。






こんな気持ちの正体なんて、私はきっと、知らなくていい。