【完】家出少女と、**王子。




ジト目で睨むと、桃華は瞳に涙を溜め始めた。





「「ーーーー!!?!??!?」」


これには私も湖城もビックリ。





「え、え、ちょっ…」












「ーーーー桃華さん!」




そう言って、ハンカチを差し出す湖城に、あたしの胸はまるで「嫌だ」とでも言うようにドクンッと大きな音を立てる。




え、なに、コレ。



だって、湖城だし、相手は桃華だよ?

なのに、なんで…。




湖城が名前で呼ぶのは、私だけだと、いつから思っていたの。

湖城が優しくするのは、わたしだけだと、いつから錯覚していたの。



胸の中でぐるぐる渦巻いて、足が動かない。

…早く、早く、桃華の元に、行かなくちゃ。




「も、桃華、ごめん、私…」

「…ぅ、あたし達、親友だし、話してくれても、いいのに…っ。親友だと思ってたのは、あたしだけ、っだった、の…っ…??」



ボロボロ涙を流す桃華に、流石の私も折れるしかない。





「……わ、わかった!話す…!だから、泣き止んで??」