突然立ち上がった私を見て、湖城が驚いたように固まる。
……み、見られてた…………!!??
そう、あの入学式の日。
私は、迷子の女の子の母親を探しまくって、遅刻した。
式の時間ギリギリの時のことだったから、誰にも見られていないと思っていたのに…‼︎
「わっ、忘れて!!」
「何故です?」
「だって、そんなの、私の柄じゃないでしょ」
すると、湖城はキョトンとして、
「柄じゃないって…全然そんなことありませんよ。今日だって、女の子を庇っていたじゃないですか」
喧嘩は、して欲しくないですけど、と、笑みと共に付け足す。



