私はドキリとして、箸を進める手を止めた。
声からして…
湖城は怒っている。
「僕は、入学当時、あなたに一目惚れしたんです。」
え……
「入学当時、って…私、あんたと会話とかした覚えないんだけど?」
こいつは、悔しいけど美少年だ。
言葉を交わしていたのなら、忘れる筈がない。
「いえ…、僕と美咲さんは、その時会話はしていません。僕が…一方的に見ていたんです」
「は?見てたって、何を?」
……入学式の日。
私は、遅刻した。
理由は…あまり人には言いたくないけれど。
「入学式の日、美咲さん、迷子になってた女の子を連れて、母親を探していたじゃないですか。」
ダンッッッ!!!!



