「そうですね…。非常食用のご飯と、冷蔵庫に母からの仕送りが少し…」
「わかった。冷蔵庫、勝手に開けるわよ。」
そう言って、冷蔵庫を開けると、本当に少ししか食材がなかった。
「……あんた。普段コンビニ食ばっかでしょ。そんなんじゃ、栄養偏るよ?」
……でも。これだけあれば、何とかなるかな。
調味料は、揃ってるみたいだし。
…料理しないのに。
「キッチンも勝手に使わせてもらうから。」
「はっ、はい!どうぞ」
そんなこんなで、10分後。
食卓には、野菜炒めとご飯が、二人分。
私は、湖城と向かい合った席に座る。
でも、湖城は箸を手に取る気配を見せない。
「……食べないの?言っとくけど、ちゃんと味見はしたから。」
「あっ、はい。いただきます!」
ハッとした表情で、湖城は箸を取った。



