照れたように笑う美咲に込み上げるものをぐっと飲み込んで、視線を落とした。
「…あたし、もう流星くんには2度と近づかない方がいいと思って」
「……それは、この間のデートとなんか関係あんの？」
ズバッと核心を突かれ、言葉に詰まる。
美咲ってこんなに鋭かったっけ。
自分の恋には疎いのに、他人の恋には鋭いなんて、まるでTHE・ヒロインじゃん。
「まぁちょっとね、……あの日の話…聞いてもらってもいい…？」
………このままだと、押しつぶされてしまいそうな気がして。
美咲に心配はかけたくないって思ってたんだけど…もしかしたら、それが余計に心配かけちゃったのかもしれないなぁ。
「ーーーーーーっていうことがあってね？
あたしは、流星くんのこと傷つける存在になりたかった訳じゃなくて、足手まといになりたかった訳でもなくて、こんなことになるなら、前に流星くんが言ってたことの意味、ちゃんとわかってたら……って思ったら、もう側にはいられないなって」
「……………………」
目を伏せたまま呟くあたしに、美咲は一度目を閉じた後、ゆっくりと口を開く。
「桃華は本当に、それでいいと思ってんの？まだ、迷ってんじゃないの」
その言葉に、ギクリと身体が反応する。
…また、図星。
その通りだよ、美咲。だって、そう決めたんならこんなに心がざわついたりしない。
まだ、諦めきれないんだもん。
