「あーー…新しい恋、探そうかなぁ」

ため息混じりに呟いた言葉に、美咲がギョッと目を見開く。


「なに、いきなり。流星となんかあった?」

「……」


…実はこの間のこと、美咲には言ってない。
だってこんなの、言えないよ。情けなさすぎて。

「…私はさ」


不意に口を開いた美咲を見上げる。


「雪弥と付き合えるようになったのは、9割がた桃華のおかげだと思ってるよ」

「…うん?どしたの、いきなり」


予想の斜め85度くらい上の発言に、あたしは頭にハテナを浮かべて彼女を見る。

まぁ、黙って聞いててよ、と美咲は笑って、予め買っていたんだろう缶の中のカフェオレを喉を鳴らして飲む。


「っぷはー!」


いや、おっさんか!

なに?!おっさんアピールの為にあたしを黙らせたの美咲!!?


「私が頑張れたのってさ、本当に桃華のおかげなんだよ。
どんなに心が折れそうになって、それこそ雪弥のことなんて諦めて、忘れたいって思った時とかに支えてくれたのってね、桃華なの。

だからね、えーと、…こ、こんなの1回だけしか言わないけど!桃華は、どんな時も支えてくれる、最高のパートナーだと思ってる…から、今度は、私が支えたい…デス」


「美咲………」