急に緩む首に回された腕と、突如背後から聞こえたうめき声に恐る恐る目を開けると…
「うわ……」
これ、流星くんがやったの……?!
やっぱり腐ってもリーダーなんだなぁ。(失礼)
あんなに強そうな男の人なのに、今の一瞬で何があったのか、道に倒れこんで苦しそうに顔を歪めている。
流星くんって、本当に強かったんだ……。
確かに湖城くんとは互角、それ以上だったけど、あたしは湖城くんの実力っていうのを知らないわけだし、彼って学校とかで見るとそんな強そうなイメージがないから勝手に普通くらいなのかなって思い込んでた。
でも、そうだよね。あの美咲が手こずった相手だし(負けたとは認めたくない)、強いに決まってるのに。
「おい、何ぼーっとしてんだ!さっさと逃げろ!!」
「で、でも流星くんは…?!」
「あんた本当に馬鹿なの??オレは喧嘩できるし心配しなくていいから!」
うん。そうでしたね。
さっき再確認したじゃんあたしよ!!
流星くんの言葉を聞いて、一目散にあの男と真反対の方向に走る。
あーもーなんなの。こんなデート後味最悪じゃんっ!



