グッ、と首を絞めるように腕が回されて、体が硬直する。



…こんな腕の人、あたし知らない。

こんな、少しでも力を入れられたら、首が折れそうな…………



想像して、背筋がゾクリと粟立つ。
つ、と冷や汗が伝うのがわかった。



「…おい、なんのつもりだ」

「何のつもりって…敵が気を緩めてるんだぜ?普通ならそこを狙うと思うけど」


あたしの背後に立つ男が、嘲笑する。



誰。誰、この人。

流星くんの知り合い…?
まさかあの『バラバラになった仲間』なんてことは…………


そんな考えを見透かすかのように、流星くんはあたしに向かって微笑む。



「安心しろ。こいつはオレらの仲間じゃねぇ。
前々…雪弥の代から縄張り争いしてた相手なだけ」

「そ、う……」

それを聞いて、少し安堵する。
よかった…。

まだ、油断は出来ないけど…。



「それにしても…
一般人にまで手出すなんて、随分落ちたモンだな、あんたら。」

「ハァ?!!なに、お前、こいつのこと殺してほしいの?」

「……ッゔぁ」


ぐ、と首に力が込められて、息が出来なくなる。


く、苦しい…!
流星くん、なんでああいう挑発するようなこと………!


「ねぇ…….目瞑って、頭下げて」

静かに聞こえたその声の通りに、瞬時に頭を下げると……




「ぐぁ……っ」