私はといえば、湖城の行動が理解できずにいた。
「……なんで、あんたが謝んの」
「悪いと、思ったから…ですかね?
でも、とりあえず、僕の家に来てくれませんか?ここだと、美咲さんが風邪をひいてしまいます。」
湖城は相変わらずの優しい笑みで、私に手を差し出した。
「………あんたがあんまりに強引だから、仕方なく、行ってあげるだけ。勘違いしないでよね」
私は、相変わらず可愛くない。
湖城の手を取ろうと、手を伸ばした時ー
昼の告白がフラッシュバックした。
「ーーーーッ!!!!!」
突如染まる頬。
「美咲さん?顔、赤くないですか?やっぱり冷えたから、熱があるとかじゃ…」
そして、私に向かって伸びてくる、湖城の手。
しっ、心臓が破裂するって!!!
「あ"〜!大丈夫!大丈夫だから!!」
そうですか?、とでも言いたげに湖城は私を見た。
私は、少なくとも、湖城は油断出来る相手じゃないことを悟った。
そんな、夏の夜。