はぁ、とため息を吐いて、流星くんが告げる。


…わかってるよ、そんなことは。

だって、湖城くんのことで悩んで、心身共にボロボロになって帰って来た美咲を、何回見たか知れない。


それでも、あたしはあなたの隣にいたいのに。


「それでも、流星くんのことは、諦められないよ……。
どれだけ傷ついてもいい。だから、…

そばに、いさせてよ」



ギュ、と流星くんの制服の裾を引く。

そばにいたい。離れていかないで。突き放さないで。

あたしは……こんなに好きなのに。
流星くんを、困らせるだけ。

だって、あたし、流星くんがため息ついてるとこしか、見たことない。


なんだ。
全然…上手くいかないじゃん。



モヤモヤと暗い気持ちが湧き出るあたしに、流星は更にため息をこぼして、



「ほんと、なんなのあんた。意味わかんないんだけど………」


ツキンとまた心臓が抉られる。


「意味わかんないことなんて、重々承知!それに、流星くんが困ってるのだって…本当はちゃんと、わかってる。

でも…!


「意味わかんないけど…あんたにちょっと興味が湧いた、かもね。」



え………



フッ、と微笑んで流星くんがぐいっと手を引く。