隣の駅…。そこの近くにある高校は確か2校。
つまり2択で流星くんと会える、はず。
今日は少し時間がないから、駅から1番近い男子校に行こう。
「…会えるかな、」
会えると、いいな。
ガタゴトと電子の箱に揺られながら、ニヘラ、と笑みがこぼれる。
今日の電車、誰もいなくて良かった。
絶対、気持ちの悪い人だと思われちゃう。
でも、だって、早く会いたいんだもん。
ううん。会いたい。会いたいけど、それだけじゃなくて。
会って、声が聞きたい。
たわいのない話がしたい。
なんならもう一回手だって繋ぎたいし、…あたしに笑顔を向けてほしい、なんて思ったりして。
確実に会えるわけじゃないし、会っても拒絶されるだけかもしれないのに、今からもう心臓がフワフワしてる。
浮ついた足で駅へと降り立って、そのまま少し駆け足で学校へと向かう。
昨日会って、しかも送ってもらったのに、おかしいかな。
…早く、会いたいなぁ。
そんな風に、思ってしまうのは。



