「まぁそんな感じだから特には…。一緒に帰ったっていうだけだしなぁ……」
昨日のことを思い出しても、特に進展といえるものはなかった気が…
と、あたしはそう思ってたけど、どうやら美咲は違うらしい。
「一緒に帰ったって…それ結構な進展だと思うけど」
「そぉー?」
だって、一緒に帰ったって言っても、それ以上はないわけだし…。
別の意味でドキッとさせられることは、言われたけど。
「だって、1人で帰るのより長い時間一緒にいられたわけじゃん。
ってことは、相手の記憶に1秒でも長くいられたってことなんだし。そう考えると嬉しくない?」
「………………」
…本当、美咲には敵わないなぁ。
確かに、そう考えると、胸のあたりがきゅーってして、とても幸せな気持ちになれる、かも。
「桃華は私と違って猪突猛進なタイプだし、そのまま押してみればいいんじゃない?」
「え、それってどーいう意味!?」
ふふ、と笑みをこぼす美咲に頬を膨らませる。
…でも、そうだよね。美咲の言う通り、このまま押せ押せで頑張ろ!!
このままのあたしを、好きになってほしいから!



