焦った様な声と共に、グッと掴まれる腕。
それだけで、全身心臓になったみたいに、ドクンと脈打つ。
「…どうしたの?」
敢えて平静を保って首を傾げると、流星は口を開きかけては閉じて、目を彷徨わせる。
なに、なに。
掴まれた腕が熱い。
その熱はきっと、あたしの頬までもを染め上げて。
沈黙のせいで、腕にばかり意識がいってしまって、また心音が乱れる。
どうしよう、この音、聞こえてたら。
てかもうそろそろ、限界ーーーー……
「あーもーうっとおしい!!!」
突然、バシンッと痛々しい音が響いたと同時に、こちらによろめく流星くん。
っっちっ、ち、近い……!!!!
バクバクと心臓が余計に鳴って、近くで香る流星くんの匂いが、更にあたしの熱を上げる。
やばいやばいやばい!!!!
今ならあたし、熱上がりすぎて死ねる…!!
なんて、たったこれだけのことで脳内大騒ぎなあたしとは真反対に、「悪い」とだけ呟いた流星くんはサッとあたしから離れる。
……寂しい。



