すると、湖城は、少し困った顔をする。
「全然よくありません。早く家に帰らないと、ご家族の方も、心配するでしょうし
「あんな家!!絶対に戻らない!家族が心配してるなんて、そんな訳ない!あいつらは私のことなんて、何も考えてないんだから!!!」
私は、思わず叫んだ。通りかかった数人の人や、ホームレス達が湖城と私を見た。
ハッ、と我に返って、俯く。
「……ごめん」
何やってんの、私。関係ない湖城に、迷惑かけて。
湖城は多少驚いたようだったが、ふ、と優しく笑う。
「謝らないでください。僕も、美咲さんのこと、あまり考えずに言ってしまいましたし。」
こちらこそ、すみません。と、湖城は私に謝る。