「………ちょっと、あんたら邪魔。さっさとどいて」


「…!」


いきなり頭上から降って来た声に顔を上げると、大好きなあたしの親友が、男子達を睨みつけていた。


ただそれだけなのに、まるでスーパーヒーローが助けに来てくれたかのようなこの安心感。


…いや、まぁ実際この子は不良5人とやり合って無傷で帰って来た子だけれども。



「た、立花さん…………」


彼女を見るなり血相を変えた男子が、「ヤベェ、殺される…!」とそそくさと散っていく。


それを見て「何もしてないヤツにいきなり殴りかかったりしないっつーの!」とため息を吐いた彼女は、あたしの前に鞄を下ろした。




「おはよ、桃華。朝から大変そうだったけど、大丈夫?」


「おはよー美咲!
…まぁ、慣れたっちゃ慣れたしね〜」




あたしのたった1人の愛すべき親友ーーー立花 美咲は、その言葉に半笑い。




「私が助けに来るのまで含めて慣れられてたら困るんだけど?」



「いやー、流石美咲。よくわかってるねー!」