「緊張…してます?」
「ふ、まさか」
顔を覗き込んでくる雪弥に、ニッと口角を上げてみせる。
だって、緊張っていうよりも……
雪弥がさっき言っていたことが、今やっと、この誓いの場に立ってわかる。
雪弥とここに立って、これから先の未来を誓えるなんて。
それは本当に、夢みたいなことで。
「僕…湖城 雪弥は、立花 美咲さんを妻とし、幸せや喜びは共に分かち合って、悲しみや苦しみは共に乗り越え、人生を2人で歩んでいくことを誓います。」
ハッキリとそう告げる雪弥の声が鼓膜を揺らして、私も震える口を開く。
「私…立花 美咲は…っ、湖城 雪弥さんを夫として、幸せや喜びは共に分かち合い、悲しみや苦しみは共に乗り越え、人生を2人で歩んでいくことを誓います……っ!!」
…あぁ、もう、本当に…幸せすぎて怖い。
嬉しそうに目の淵に涙を溜めるお母さんと目があって、潤む瞳で微笑んだ。
最初は大っ嫌いだったお父さんとお母さん。
だけど、…もう嫌いだなんて思わない。
寧ろ…今となっては、感謝しているの。お父さんとお母さんの仲が良かったら、私は家なんて出てなかったし、雪弥との今だって、きっとなかったと思うから。
だから……本当に、ありがとう。お父さん、お母さん。
ーーー大好きです。



