「…オレのどこ見て言ってんのか知らねーけど、別に優しくなんかないから」

強さで仲間を縛りつけて、苦しめた。そう言って項垂れる流星に、桃華が叫んだ。


「流星くんは、優しい人だよ!!!」

「っ?!」


突然後方から飛んできた声に、流星が驚いてこちらを振り向く。

まぁ、私と雪弥の存在には気づいていたとしても、桃華には気づいてなかったってことだってある訳で。


目を丸くして固まる流星に、尚も桃華は言葉を投げる。


「自分の印象よりも仲間との未来を優先する人のどこが優しくないの?!!流星くんは優しい!
ただ…臆病になってるだけなんじゃないの?

仲間がバラバラになったって言うんなら、その時に何がダメだったのか、どこが不満だったのか、聞けばいいだけの話じゃん!
そんなこともしないままで、湖城くんに座を押し付けて逃げるなんて、勿体無いよ……」


視線を落とす桃華に、流星は言葉に詰まった素振りを見せて、桃華から視線を外した。


「そんな今更………」

「『今更』雪弥に戻って来るように頼み込んだあんたが、それを言う訳?
…雪弥があんたのためにこうして時間割いてくれてるみたいに、お仲間さんだって、話くらいは聞いてくれんじゃない?」

「っ、、」


ハッとして、それからまた私の視線から逃げる流星に、なんだか、こう……




……無性にイライラするわ。