ーーー早い。
流星が拳を作った瞬間…ううん、それ以前に、踏み込んだ瞬間さえも分からなかった………。
でもそれは、流星だけじゃなくて。
「雪弥って、本当に強かったんだ………」
受け身の作り方とか、かわし方とか、勿論攻撃のスピードだって。
前に不良数人に囲まれた時にもそれは実感してたけど、そんなの比にならないくらいに流星は強いのに。
見るだけでわかる。2人とも、…ありえないくらい強いってこと。
あの時もしかしたら、本当に首折られてたかも…。
首に流星の手がかかったあの瞬間を思い出して、ゴクリと喉が鳴った。
「……ね、美咲。」
「…な、なに?桃華」
ーー2人から、目が逸らせない。
殴り合う雪弥と流星をじっと見つめつつ、桃華の呼びかけに答える。
「あたし、………」
すると、桃華は私にとんでもない爆弾を投下してきたんだ。
それはもう、予想できないくらいの斜め上からの爆弾で。
「あたし、流星くんのこと好きかも」
「………っ、はぁあ?!!!?!」



