雪弥の目を見た流星は、フッ、と笑みをこぼして、私を一瞬だけ見た。


「…?っ、わ…!」



首を傾げたその時、急にトン、と背中を押されて、私の体は前に傾く。



「美咲さん…!」

こける寸前、伸ばされた雪弥の手によって、私の体の傾きは止まる。


あ、危なかった…!こけるとこだった!


さっきの雪弥といい、今の流星といい、私の体をもうちょっと丁寧に扱ったらどうなんですかねー!?



「み、美咲…大丈夫?」

「はは…へーき…」



心配そうに手を差し伸べる桃華が最早天使に見えてきた。
いやむしろ女神だわ。



そんな私の心境なんてどうでもいい男2人は、もう既に戦闘体勢に入っていて。


「おい雪弥。もう一回言うけど、…

本気でかかってこいよ。」


「当たり前です。いつだって全力で勝ちを狙う…それは、僕が君に教えたことですから。」



フ、と口角を上げる雪弥に、流星も不敵に笑む。


「じゃあ…いくぜ……!」

「っ…!!!!」