流星は「子供みたいなって……」と、若干突っかかって来たけれど、それ以上は何も言わずに、静かに雪弥のことを見つめる。
「…今でも雪弥のことを狙って、喧嘩売って、あんたのこと巻き込んだのは、本当に申し訳ないと思ってる。
謝ってすむことじゃないと思うけど…本当に、ごめん。
でも、それ以上に雪弥の強さっていうのを確かめたかったんだよ。
…実際のところ、理由はどうであれ雪弥がこのグループ抜けた時は、不謹慎だけどめちゃくちゃ嬉しくて、『俺が頭だ』って、それしか考えてなかった。
だけど……バカだな、オレ。
そんなこと考えてるヤツに、仲間がついてくる訳なかった。
少しずつすれ違って、今じゃもうバラバラだ。
今更かよって思うのもわかるし、ふざけんなって殴ってくれてもいい。
でも…
雪弥。頼む、もう一回、オレらのところに戻って来てほしい……!」
「……!」
真剣な瞳で見つめる流星に、雪弥が息を飲むのがわかる。
そんな、今更だよ。雪弥は絶対に戻ったりなんかしない。
…そう、信じたいのに。
どこかで不安になってる私がいる。
本当に雪弥は、これからも私の隣で笑ってくれるの??
グループに戻って、荒れて、私のこともどうでも良くなっちゃうんじゃーー
そんなことを考えてしまう自分が嫌で、私は大きく首を左右に振って、マイナス思考を振り払う。
…これは、雪弥が決めることだ。
私の気持ちとか、今はどうでもいい。



