じっ、と腕を組んで流星を見つめると、苦虫を噛み潰したような顔をして、視線をコンクリートの床に落とした。
「…確かに、言った記憶はある。
だけど、それで本当にやめると思う奴がいるか?!
……本当は、雪弥に不満があるのはオレだけだった。オレがこのグループの頭になりたかったから!!!
それに、…言った時は、軽いブラックジョークみたいな感じで言っただけだし…」
「なんですか、それ…。
僕がどんな気持ちでこの集団から抜けたと思ってるんですか!!」
流星の両肩を掴んで揺さぶる雪弥に同意して、私も首を縦に振る。
だって、こいつ…めちゃくちゃタチ悪りぃ…!!
なんなの、ブラックジョークって。ありえなくない?餓鬼かよって話じゃん!!!
雪弥が今までどれだけ悩んできたと思って………!
それにしたって…私の中の疑問が完全に解けた訳じゃなくて。
気になる点が、2つほど。
「流星…まぁ、そのクソほど子供みたいな理由は置いといてさ。
訊きたいんだけど、どうしてこのグループを抜けた雪弥を今も攻撃してんの?『グループをリーダーなのに勝手に抜けたから』なんてぬかしたら顔面フルボッコだけど、多分、そうじゃないでしょ?
それと…雪弥を呼び出したの、どうして【今】なの。すれ違いがあってから今日まで、1年近くあったんだから、話しをするチャンスなんていくらでも作れたでしょう?」



