【完】家出少女と、**王子。






「ーー流星くんは、僕が裏切ったって言ってましたけど…。
裏切ったのは流星くんの方なんじゃないんですか??」

「は?何?ふざけてんの??」




ーーーごめん、前言撤回するわ。



なんで2人ともあんな喧嘩腰なの?!

穏便に解決……は無理か。
いやいやだとしてももっとマシな言い方もあるでしょーよ!!!?



「なんか、雪弥と流星の間で何かしらの誤解があるみたい、なんだけど……」

おずおずと手を上げて告げると、雪弥と流星が「「えっ」」と声を揃える。




「な、何言って……。オレらを見捨てて勝手に抜けたのはコイツだろ!!?」

「なっ!そ、それは流星くんが……っ」

何かを言いかけた雪弥が、また口を閉じて、目をそらす。



「オレが、何?」

「……………」


尚も沈黙を続ける雪弥の胸倉を掴んで、流星は痺れを切らしたように叫んだ。



「黙ってちゃなんもわかんねーんだよ!!!…っ逃げんなクソ!!」