「ゆっ、雪弥…!」
突然空いた扉に驚いて振り向くと、そこには少し乱れた髪の雪弥が立っていた。
…すごい汗。もしかして、走って来てくれたの?
こんな時に不謹慎だって、わかってる。
わかってるけど。
すごく、好きだなぁ…
「っ、お、遅いよバカッ!!」
「す、すみません!お怪我は…?!」
慌ててそっぽを向く私の肩に、雪弥の手が触れる。
「な、ないよ。当たり前じゃん…。
だって、前に雪弥が信頼してた人達なんだから。」
そう言うと、雪弥と流星の体がピクリと硬直する。
「美咲さん。それは
「ていうか!なんで……
なんでここに桃華がいるのさ?!!」
雪弥の後ろに隠れていた人物を指差すと、雪弥が「えっ」と声を漏らして慌てて後ろを振り向く。
「ハロー美咲!」
「いやいやいや!だからなんでここにいるの?!」
「えー?なんか、湖城くんが携帯見て慌てて駆け出してったから、美咲絡みかなぁって思ってつけて来ちゃった♡」
満面の笑みの桃華に、私は脱力する。
つけられてることくらい分かれよ元不良〜…。
まぁ、それだけ私のことでいっぱいいっぱいになってくれたってことで良しとしてあげるけどさぁ……?



