【完】家出少女と、**王子。




腕を組んで、ヤンキー座りの流星を見下ろすと、「はぁ?」と不機嫌な声が返ってくる。



「あんた…オレのこと馬鹿にしてんの?
雪弥の代理人とか言うんだったら、電話番号くらい知ってんでしょ、
電話してアイツここに呼べよ」


「は?何言ってんの、嫌だけど。」

言い返すと、一瞬だけ流星が動揺の色を見せた。


…私を普通の一般女子と一緒にしないでほしいよ、全く。


「はぁ…。あんたさぁ、オレのこと知ってて言ってんだよね?」

「名前だけね。あんたがどれだけ強いだとかそういうのはぶっちゃけ言ってどーでもいい。」



とんっ、と一歩流星に近づく。


倉庫の扉が、音を立てて閉まると同時に、流星が動いた。



「…ッゔぁ…っ」

「ーーー死にたい?」


ドンッと体が壁に叩きつけられて、首に流星の手がかかる。



ーー締められたら、折れる!


直感で悟って、一瞬の隙を突いて距離を取る。




「…はっ…。生憎だけど、私はまだやりたいことたくさんあるのよね」


無理やりに口角を上げると、ピクリと流星の眉が歪む。




「お前ーーー…」

流星が口を開いた時。






ーーバンッッ










「美咲さんッッ!!!」