……なんだろう、すごく、懐かしく感じてしまう。
たった数ヶ月前のことなのに。
「それだけ、色々あったってことかな」
家から飛び出して、雪弥と少しの間一緒に過ごして。
ニセモノの彼女になって、いつの間にかアイツのこと好きになってたりして。
告白して、フラれて、雪弥が実は不良王子だってことがわかって。
でも…文化祭でみんなの前で抱き締めてくれてさ。
「……行かなきゃ。」
止まっていた足に力をいれて、再び歩き出す。
そして、公園を抜けて、しばらく。
「んーー…なかなかに久しぶり。」
目の前の建物を見上げて、ふぅ、と息を吐き出す。
こんなところ、雑魚い奴らと1対5でケンカした時以来だ。
あれは弱かったなぁ、なんて思いつつ、一歩、前に進む。
…うん、17時ちょうど。
行きますか。
私は、覚悟を決めて頷いて、倉庫の扉を思い切り開けた。



