「…………………」

「…………………」



校門までの道のりを、雪弥と2人、無言で歩く。

なんか桃華にごちゃごちゃ言われてたみたいだけど、やっぱり雪弥は自分の決めたことは貫き通す性格で。


学校までは隣にいてくれても、その後、その、デート…とか、送ってくれる、とか、その、そういうのはないんだ。


いっ、いや、べべべ別にそれが寂しいとかそういうんじゃないから!
ていうかそもそもそんな女子みたいなこと望まないし!!!!



違う違う!と自分の女子みたいな(※女子です)思考を振り払って気づいた頃には上靴はローファーに変わっていた。


…やばいよやばいよ、校門出るまでにはなんとかして雪弥のこと説得しなきゃ!




「ゆっ、雪弥!」


ぐいっと制服を引っ張ると、カクンッと後ろに傾いた雪弥がなんとかバランスを取りつつ驚いた目で私を見る。



「な、なんですか」

「あっ、あのさ雪弥。明日、倉庫行こう。なんなら私もついてくし……」


途端、雪弥の表情が固まって、それから渋い顔になる。



「…無理です。僕はもう、『そういうこと』はやめたんですから。
それに、美咲さんは絶対ダメです。彼らになにをされるか…














「ッ…逃げんな!!!」