倉庫…私達の中で倉庫と言ったら、住宅街を抜けて、私が雪弥に拾われた例の公園よりも奥の人気のない場所に建てられた、不気味で、人も寄り付かない場所。
普通の生活してる人からしたら「そんな倉庫なんてあったっけ?」ってな話だけど、雪弥や私みたいに、ちょっと道を外した人なら、絶対知ってる。…そんな場所だ。
恐る恐る雪弥の顔を覗きつつ訊くと、雪弥の眉が一瞬、ピクリと動く。
「…ええ、まぁ。ですが、それがなにか?」
やっべえ怖え!!めっちゃ怖え!!!!
「そ、それでね、明日の17時にそこに来てほしいって、伝言……」
ーーガタンッ
「美咲さん、そろそろ帰りましょうか?」
私の言葉を遮った雪弥が、ひどく冷たい声で立ち上がる。
その態度があまりにも怖すぎて、私はただ震えながら頷くしかできなくて。
…これが、元不良のオーラってヤツなんだろうか。
先に教室を出た雪弥に続いて、私も立ち上がって鞄を肩にかける。
このままじゃダメなこと、わかってるんだけどな…。



